☆ 逆流性食道炎
      (胃食道逆流症・GERD)

<キーワード>
逆流 食後 胸焼け つかえ感 呑酸

<関連ワード>
食道裂孔ヘルニア バレット食道 食道腺がん(バレット腺がん)

 

「逆流性食道炎」ってどんな病気?

食後に胸焼けがあるなら、逆流性食道炎かも
成人の10~20%がこの病気にかかっていると推測されています。

焼肉などしつこいものを食べたあとに、胃がもたれたり、胸焼けや喉の違和感を感じたことはありませんか?
それは胃酸の影響かもしれません。

食後すぐに「ソファでごろん」してませんか?

 

● 逆流性食道炎について

逆流性食道炎は、胃で作られる消化液の胃酸が食道に逆流してしまうことで起こります。

食道の粘膜が酸によって傷つけられ、炎症を起こすのです。そうすると胸焼けや灼熱感が生じます。
では、どうして胃酸が逆流するのでしょうか。

 

胃酸が逆流する原因

①胃酸逆流防止機構の機能が低下する。
②食道の動きが低下する。
③食べ過ぎ・食生活の欧米化(高蛋白・高脂肪食)
④ピロリ菌に感染していない方(ピロリ菌に関してはこちらを参照してください)

 

①胃酸逆流防止機構の機能が低下する。(食道裂孔ヘルニア)

食道と胃の境目には「下部食道括約筋」という筋肉があります。
胃の内容物が食道に逆流しないように、キュッと締まっているのですが、
それが緩んでしまうと胃酸が逆流しやすくなります。
その括約筋が緩んでしまい、「食道裂孔ヘルニア」と呼ばれる状態になると、
逆流性食道炎をおこしやすい状態になります。

「食道裂孔ヘルニア」は、腹圧が上がって胃が押し上げられてしまうことが原因です。

年齢を重ねると緩みがちですし、骨粗鬆症の影響などで、腰や背中が 曲がっている方も腹圧がかかりヘルニアになりやすく、逆流性食道炎の症状で悩む方が多いですね。若い方でも「食道裂孔ヘルニア」の方はいらっしゃいます。

肥満、喫煙、気管支喘息などが原因になります。

太っている方でタバコを吸われる方は注意が必要ですね。

◎日常の診療の中で、腹圧がかかる原因として最も多いと感じるもの

お年の方:円背の方や田植えや畑仕事などをされている方。
比較的お若い方:肥満、きついベルト、重いものを持ち上げる仕事に従事

◎物理的な問題で逆流してしまうもの

姿勢の問題:田植え・屈むことが多い仕事
枕をしない
食べてすぐにソファにごろん。(←これは多いですよ)

 

②食道の動きが低下する。

食道は筋肉を使い、食物を下へ運んでいきます。それを蠕動運動といいます。
年齢や病気などによる何らかの原因によって、蠕動運動の動きが悪くなれば、
逆流した胃液を胃へ戻す力が低下するため、それにより食道炎をおこしやすくなります。

強皮症と言われる病気になると、上記の理由で逆流性食道炎をきたします。

 

③食べ過ぎ・食生活の欧米化(高蛋白・高脂肪食)

胃の中の圧力が高くなり、逆流しやすくなります。胃酸の量も増えます。
食べ過ぎて胸焼けや呑酸(喉がからい感じ)を感じたことはありませんか?
食べ過ぎには注意しましょう。
刺激物(酒、たばこ、コーヒーなど)、酸味の強いものも原因となります。

 

④ピロリ菌に感染していない方

ピロリ菌に感染していない方は、胃の本来の機能である胃酸分泌が適正になされます。
その結果、食べ過ぎや刺激物などで胃酸が多くでた場合、逆流しやすくなります。

一方ピロリ菌に感染している胃は胃酸がでにくいため、逆流性食道炎はおこしにくくなります。
除菌治療(ピロリ菌をやっつける治療)によって、逆流性食道炎が悪化する場合があるので、
「ピロリ菌に感染している」かつ「胸焼けがある」人は、除菌治療を受けられる場合に注意が必要ですね。

ピロリ菌についてはこちらをご参照ください(編集中)

 

<リスク>

食道腺がんというタイプの食道がん
(逆流性食道炎と食道がんの直接の関係は言われてないのですが、バレット食道は食道腺がん
のリスクがあります。)

逆流性食道炎で繰り返し炎症を起こすと、食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わります。
これをバレット粘膜といい、バレット粘膜が存在する食道を「バレット食道」といいます。

「バレット食道」は「バレット腺がん」という食道がんにはなりやすいリスクがあり、注意が必要です。

 

● 症状

胸焼け
呑酸(酸っぱい液体が上がってくる感じ。のどがからい感じなど)
慢性的に続く咳

高脂肪食や刺激物を多くとったとき
食後2~3時間までに起こることが多く、
就寝時(特に明け方)にも症状を自覚することが多いです。

 

● 診断

上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)で診断します。
食道裂孔ヘルニアはCTやバリウム検査も有効です。
最も情報量が多いのは、断然胃カメラです。

 

● 治療

ヘルニアそのものがあっても、症状が無ければ必ずしも治療を行う必要はありません。
ヘルニアがひどければ手術をすることもありますが、多くは不要です。
逆流性食道炎の診断がつき、症状がある場合には、治療対象となります。

胃酸を抑える薬や胃の働きを改善させる薬などを使用します。

生活習慣の改善。(←これが最も大切です。)
・高脂肪食や刺激物を摂り過ぎない
・食後すぐ横にならない
・腹圧をかけないようにする。
(ベルトをきつくしめない。ゆったりとしたズボン。前屈姿勢を避ける。)
・肥満(腹圧かかりやすい)を改善する。
・枕を使用する